2018.01 不動産オーナー経営学院 2018年度理事長所信

不動産オーナー経営学院の代表理事・横山篤司の2018年度理事長所信は以下のサイトで見ることができます。

2018理事長所信

www.reibs.jp

 

不動産オーナー経営学院2018

一般社団法人不動産オーナー経営学院 代表理事 横山篤司

理事長所信

 

名実一体の信頼回復へ~RE Build~

 

「名実一体」とは、評判や名がそのものの実体に合致しているという意味です。言い換えれば、その人の名前と実質、名声と功績、評判と実際が一致していることであり、私たちが日々、仕事をする上でも大切にしたい心構えです。日本人は古来より、質実剛健で、勤勉な人が信頼されます。「信頼」は、表向きの成功や資産の豊かさによって生まれるものはあれど、盛者必衰の理の如く、栄華は長く続くことはないと歴史が証明しています。私は、長きに渡り信頼を勝ち取る人は、人として、人徳を磨き、努力を重ね、切磋琢磨を続ける姿そのものにあると考えます。残念ながら、日本の不動産業においては、不動産の事ならば何でもできる、という格言がまかり通ってしまい、名実とはかけ離れた多くの誤解と信用を失う出来事が起きてしまっているのも事実です。そこで、私たちは一人ひとりが『名実一体の信頼』を掲げ、専門性を共有し合う強きビジネスパーソンとなるべく実践学問を追求していきます。

 

2017年はまさに景気回復が形となった年です。経済面においては、2017年末の日本の株式市場の終値は2万2764.94円となり、昨年末の1万9114.37円より大幅に株価が上昇した年でした。またバブル崩壊後の最高値である96年の終値の2万2666.80円の壁を越え、経済の上では不景気の波は完全に消えたといえるでしょう。また観光面においては、2017年には訪日外国人が2800万人を超え、今後も増え続けると予想されています。これは2013年には1000万人程度であったことから、5年間で3倍以上の外国人が日本に訪れていることになります。

 

一方で、私たちの心に根付く不景気の恐怖と気が晴れぬ原因とは何でしょうか。それは経済回復の裏には、日本人口の減少、都心への一極集中化、後継者不足など、高度経済成長期には存在しなかった社会問題が深刻化していることを知っているからです。不動産業においては大手デベロッパーによる開発という表向きの経済発展が限界を迎えた時、都市計画の転換を余儀なくされることは、もはや目に見えているといえるでしょう。

 

そこで、今年のテーマは「専門分野からなるチームプレイ」です。これは開発による経済発展という一辺倒の原理原則では行き詰まった次の不動産社会において、社会課題に対応した海外連携、IT、企業誘致など、需要を取り込んだ専門性の高い経営企画が不可欠であり、その専門分野に対応した人財が問われているからです。

 

  1. 不動産と金融をつなぐ不動産経営のガイドラインをつくる(賃貸経営学科 共通ビジョン)

 これからの10年は新旧不動産オーナーの入れ替わりや事業承継が鮮明になる年といわれています。その未来を後押しするかのように、法人税の減税や、新たな事業承継税制が計画されています。このように新たな不動産オーナーの参入を歓迎する一方で、業者による不動産セミナーや民間団体による認定資格等が独り歩きをはじめており、実際の現場で役に立つ課題解決力を修練する機会が少ない状況です。賃料を分析する、物件リスクを捉える、リフォームの投資判断といった異なる知識と実務能力が問われる賃貸経営において、私たちは各分野の専門家による集合知と共通目標の設定が、不動産オーナーの成功には不可欠だと考えます。私たちは「不動産経営のガイドライン(解説書)をつくること」によって、詐欺やトラブルといった悪いイメージ、成功や失敗といった投機イメージを減らし、「不動産業界全体の地位・モラル向上に貢献すること」を目指します。その社会の実現のためには、不動産オーナーだけではなく、不動産業に関わるあらゆる人に対して不動産に関する知識、経験を共有することが、結果として、その業界全体の発展に貢献することを意識しなければなりません。

 

  1. これからの資産増強と事業承継を考える(資産運用学科 共通ビジョン)

「不動産を購入して借金をすることは節税対策や相続税対策になる。」 私たちは不動産に関する税務知識や経験を積み重ねることは必要不可欠ではあるが、その名実一体を改めて考えたい。税務面においては現在、平成27年に税制改正された相続税増税、そして2018年度税制改正で焦点となる年収800万円超の人の増税などへの対策が必要となっています。また事業承継面では、日本の大きな課題である中小企業の3/4以上が事業承継者の不足に悩んでいるという実情に対して、不動産投資活用による資産の圧縮、分割、納税対策を適切に使い分ける知識が必要となるでしょう。そこで、不動産の課題解決にあたる専門家は、不動産オーナーの悩みに対して、逃げ道としての売却提案やアパート建築を勧めるのではなく、課題解決策を複数提示する力をつけ、誰がその課題を解決できるのかをチームで解決することが求められています。私たちは、不動産オーナーであり、その決断者である経営者の立場として、不動産業界関係者と共に、不動産の経営課題を考えることで、相続・節税の本質を見極めていきたい。

 

  1. 投資と価値基準のガイドラインをつくる(投資学科 共通ビジョン)

「不動産投資をすれば儲かる、安定した利回りが得られる、地方の不動産投資はお勧めである。」2008年のリーマンショックからの回復が鮮明となった、特に5年間での不動産投資は活況そのものである。しかし、近年は不動産開発による供給過多が鮮明となり、新築より15年程度で空室悪化や賃料の下落に歯止めがかからず、不動産経営を断念する不動産オーナーが急増しています。また、平成29年に金融機関へ通達された過剰な不動産投資に対する引き締めが今年は鮮明になると予想されており、不動産投資後の適切な資産運用が問われる時代となるでしょう。つまり、金融機関による引き締めや、貸し渋りといった金融政策要因に加え、この数年は、人口減少や地方の空洞化により賃貸経営史では経験したことのない、都市の滅亡が原因となって事業放棄せざるを得ない状況があります。その結果、古くなった建物の建替えやリノベーションなどが加速していくことが予想されるが、投資後の賃貸経営25年の入居者マーケティングが不可欠なことは言うまでもありません。まずは第一歩として、成功や失敗を語る前に、その大前提となる不動産の考え方や、そこに関わる人、仕事の流れなどを改めて考える必要があり、不動産の投資原則を改めて私たちは考えていきたい。